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〈1〉弦楽四重奏への思い

 

コラム「尾池のブルーマンデー憂さ晴らし」

でお馴染みの

ヴァイオリニストの尾池亜美さんは
主にソリストとして活躍しているが、
一方で弦楽四重奏へも
非常に思い入れがあるという。
 
 

弦楽四重奏に惹かれて

 
青木
ソリストとして活躍している尾池さんが、
弦楽四重奏曲に興味を持たれたのには、
何か理由が?
 
尾池
そもそもから言うと、
自分は、ソリストなのか。
音楽家であることは間違いないんですけど、
自分がソリストだと思うのは、
年に何回か演奏するコンチェルトの時だけであって、
それ以外の時は、自分はそんなにソリストだとは
思っていないです。
ヴァイオリニストではあるんですけど。
 
で、ヴァイオリニストとして音楽をやるにあたって
結構以前から弦楽四重奏を演奏する機会が多くて、
そういうこともあって、弦楽四重奏は、
ずっと好きでした。
 
人と仕事をするのが好きなので、
室内楽がそもそも好きなのですが、
とりわけ、弦楽四重奏は、
曲もたくさんありますし、
ヴァイオリニスト2本、ヴィオラ、チェロ
という編成そのものが、黄金比のような
バランスだと思いますし、素晴らしい編成だと
思います。
 
私は学生の頃からヴィオラも弾いていたので、
大学生の時は、ずっとヴィオラでクァルテットに
参加していたんです。
 
ヴィオラという楽器も勿論好きなのですが、
特にクァルテットのヴィオラ・パートが好きなんです。
 
青木
美味しいところ、たくさんありますからね。
 
尾池
そうなんです。ドヴォルザークはご存じのように、
ヴィオラから始まるメロディをたくさん書いています。
それから、ヴァイオリンとチェロの間を担う役
というのも好きなんです。
 
最終的に内声が音楽を動かしていったりするんですよ。
表に立っていなくても、中から音楽を動かすことが
凄く好きです。
 
もし、チェロが弾けたら、チェロも弾いていただろう
と思うくらい、弦楽四重奏は各パートが好きです。
 
一度、ライプツィヒ弦楽四重奏団の方々が、
弦楽四重奏をワインに例えているのを
聞いたことがあるのですが、
ワインの中味自体は、
セカンド・ヴァイオリンとヴィオラであると。
ボトルがチェロで、
ファースト・ヴァイオリンは、ワインのラベルであると。
 
勿論、そういう表現がすべてではないですが、
凄く、クァルテットをよく表わした言葉だと思います。
 
それだけでバランスが取れているということで、
この編成は大好きです。
そういうことで、特別な思い入れが
クァルテットにはあります。
 

ソリストとは

 
尾池
今までの演奏家というものに対する考え方ですが、
やはりソリストはソリスト、という考え方が、
多いと思いますが、
私はどうしてもそうは思えないんです。
 
青木
尾池さんご自身が自らソリストとは思っていない、
ということですか?
 
尾池
勿論、ソリストとしても弾きますし、
好きということで言ったら、
ヴァイオリン・コンチェルトは
一番好きです。
 
コンチェルトは、ドラマのようなもので、
ほとんどひとりで演じるじゃないですか。
そういうこともすごく好きなんですが、
だからといって、自分が、
それが専門であるとは、そんなに思っていないんです。
リサイタルもしますし、小品も大好きなんです。
自分がどれが専門であるか、
絞ったことはないです。
あくまでヴァイオリニストである、ということですね。
 
青木
リサイタルや小品を弾くのはソリストですよね。
コンサートマスターもソリストですよね。
弦楽四重奏も、ある意味、ソリストですよね。
 
尾池
確かにファースト・ヴァイオリンは表に立つ
役割ではありますね。
いろんなソリストがいるし、
室内楽でもソロ・パートは出てくるし、
何がソリストか、と言ったら、
どの楽器の方も、皆、ソリストですよね。
 
青木
ソリストの定義とはなんぞや、
という話になりそうですね。
コンチェルト弾きがソリストと言うのであれば。
 
尾池
そういう定義でしたら、私はソリストではないです。
ソリストとは言わずに、音楽家、と私は言いたいです。
 
続く

アミ・クァルテット

(クリックorタップすると拡大され、プロフィールも

Webアッコルド1周年を記念して、

1日限り、「リアルな場所」で

アッコルドを展開します。

空を見わたせる会場で

昼から夜への

移り変わりを眺めながら

弦楽器の響きに触れてみませんか?

尾池亜美さん率いる

アミ・クァルテットが出演します。

 

●読者の皆様と、演奏者・執筆者・編集者との交流
●私たちが考える音楽の楽しみ方を一緒に体験

●ヴァイオリニストの尾池亜美さんとアミ・クァルテットの皆さんによる演奏
イザイの無伴奏、デュオ、ドビュッシーの弦楽四重奏曲等が演奏されます。
ヴァイオリニストの長尾春花さんがヴィオラに持ち替えて演奏します!

●アッコルド執筆陣の

ヴァイオリニスト・森元志乃さんと

尾池亜美さんとの対談


●質問コーナー、試奏コーナー、

●ワン・ポイント・アドヴァイス

●尾池亜美さんによる

 ハイフェッツの音階練習のデモンストレーション
 (尾池さんは、ハイフェッツの高弟ピエール・アモイヤルに師事し、ハイフェッツの音階練習を習っています。アッコルドから出版予定)

●美味しい軽食とお酒

 

他にもいろいろなサプライズを用意しています。

 

アッコルド1周年記念イベント

 

7月21日(月・祝)海の日

 

会場 ソラハウス(渋谷)

東京都渋谷区神南1-5-14 三船ビル8F

開演 18:15(開場:17:30)

料金 ¥10,000(軽食付き)

定員 40人

(演奏、コラム執筆者・森元志乃さんとの対談など)

 

公開リハーサル

開場 15:00

料金 ¥2,000

定員 20人

 

曲目

フォーレ/パヴァーヌ

ドビュッシー/弦楽四重奏曲 ほか

 

アミ・クァルテット

1stVn  尾池亜美

2ndVn 森岡 聡

Va    長尾春花

Vc    山本直輝

 

★詳細

http://www.a-cordes-ronde.com/#!special0711/cso7

 

※モバイルからは、メニューの「アッコルド1周年記念イベント」をタップしてください。

 

★チケットはこちらから
http://eventregist.com/e/a-cordes

★メールでのお申し込みもできます。
●お名前
●種類(公開リハーサル・本番)
●枚数
●;連絡先(メールアドレス)(電話)(住所)
を明記の上、
a.cordes.editeur@gmail.com(アッコルド)へ。
メールでお申し込みを戴きましたら、おって決済方法についてご連絡差し上げます。ご連絡をお待ち下さいませ。
※なお、個人情報は、本イベントに関わること以外には使用致しません。

★モバイルからは、メニューの「アッコルド1周年記念イベント」をタップしてください。

 

皆様のお越しをお待ちしています。

 

 

尾池亜美さん

クァルテットへの思い〈1〉

 

尾池亜美さん

クァルテットへの思い〈2〉

 

尾池亜美さん

クァルテットへの思い〈3〉

 

 

 

対談

弦楽四重奏への思い

 

アッコルド編集長

青木日出男

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ヴァイオリニスト

尾池亜美

© 2014 by アッコルド出版

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